着床障害の原因について勉強しよう。子宮筋腫・奇形・内膜症・・症状や検査を確認!

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こんにちは。助産師のゆうこです。

助産師になって早8年。大学病院に勤務しており、不妊治療の看護援助をすることも多々ありました。色々な患者さんと出会い、一人一人違った病気や悩みをもち、不妊治療に取り組んでおられる姿をみてまいりました。そこで、私の知識が役に立てば…と思い記事を書いている次第でございます。

今回は、不妊の原因である「着床障害」ついてお話をさせていただきたいと思います。

 

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はじめに

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着床障害とは、受精までは問題なくおこなわれるものの、受精卵が子宮内に着床できず、流産となることを言います。

着床とは?
子宮の内膜に受精卵が埋没することを着床といいます。

主に子宮の体部に異常がある場合、受精卵の着床が阻害され、不妊の原因となります。子宮は体部と頸部にわかれていますが、体部で着床し、胎盤がつくられ、赤ちゃんは育ちます。

着床障害での不妊は不妊症全体の約10%であるといわれています。

受精卵の着床を妨げる子宮の体部の原因として以下のような原因が考えられます。

 

1、子宮筋腫

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子宮筋腫は平滑筋発生する良性の腫瘍のことです。女性ホルモンであるエストロゲンが大きく関与しており、筋腫発生、発育に関与します。4~5人に1人の割合で発生し30代~40代の女性に多いです。ちょうど、妊娠適齢期と重なります。

子宮筋腫は筋腫発育方向によって、3つに分類されるのですが、子宮内膜直下発生するもの、子宮の筋層内に発生するもの、子宮の奬膜下直下に発生するものありますが、主に前の2つが受精卵の着床障害に大きく関わります。

でこぼこしていたり、異物があるベット(子宮内膜)では受精卵がくっつきにくく、着床しにくくなるイメージです。筋腫の大きさや貧血、痛みなど状態をみて、筋腫のみをとったり、あまりに症状がひどく大きさも大きい場合は子宮ごと、摘出することもあります

ただし、筋腫はエストロゲンが作用して大きくなるため、閉経をし、エストロゲンが少なくなれば萎縮します。

 

2、子宮奇形

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ミュラー管の発生異常により、子宮に先天的な奇形があることをいいます。
子宮が2つある場合は妊娠は可能です。(子宮が1つあるべき場所に2つあるので、子宮が小さくて流産、早産の可能性は確かにありますが…。)しかし、双角子宮のように、子宮が2つくっついて形成されている場合は受精卵の着床部位によって、不妊になってしまいます。でこぼこしているので受精卵が着床しにくいのです。

また、子宮は1つですが、中に子宮を2つにわけるような壁がある場合も、中隔部に受精卵が着床した場合は、血流が乏しいので、不妊になってしまいます。この場合は、子宮を2つにわけている壁を切除することにより、妊娠はしやすくなります。

子宮が形成されていない場合や形成されていても、あまりにも低形成の場合は残念ですが、妊娠はできません。

子宮奇形があるかどうかは、子宮卵管造影の検査を行うとすぐにわかります。
造影検査については別記事を参考にしてください。

卵管造影って痛いの?検査を行う時期・方法・注意点まとめ!

2016.10.05

 

3、子宮内膜症

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何らか原因で、子宮の内膜組織が子宮の内膜以外に生じた疾患です。子宮内膜は子宮の中ではベットのような役割をしており、一定のサイクルで増殖し、受精卵が着床しなければ子宮内膜は破綻、脱落し、また、綺麗なベットがつくられるのです。内膜症は子宮の周囲に発生することが多く、卵巣や腹腔、ダグラス窩でよくみられます。

子宮以外で内膜組織が増えるので、痛みや炎症、癒着などみられます。

薬で閉経のような低エストロゲン状態を作れば、痛みは和らぎ、腹腔や卵巣などの子宮内膜は壊死できるのですが、妊娠もしません。妊娠希望であれば、内膜症がある卵巣のみ摘出したり、生殖補助医療を用います。

子宮内膜症は軽症~重症まで様々であり、できる場所によっても症状や不妊の度合いが異なります。生理痛がひどく子宮内膜症と診断されていても、自然妊娠する人もいるので、気になる症状がある場合にはまず医師に相談しましょう。

 

4、アッシャーマン症候群(Asherman症候群)

子宮の手術(人工妊娠中絶、子宮内容物除去など)などにより、子宮内膜基底が破綻、剥離し、子宮の中が癒着してしまった状態です。子宮の中がくっついてしまっている状態のため、癒着剥離手術や、子宮の中ひろげるために、IUDというリングを用いる場合があります。IUDは受精卵の着床を妨げる避妊方法でもあるので、IUDをいれていれば妊娠はしません。

人工妊娠中絶を経験している人が不妊を訴えてクリニックを受診した場合には、まずアッシャーマン症候群を疑います。

 

5、子宮外妊娠

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卵管に何らかの異常があり、(閉塞や癒着)受精卵が、子宮内にたどりつけないまま、子宮以外の場所で妊娠してしまうことです。子宮外の妊娠であれば、妊娠を継続していくことはできません。卵管での妊娠では、卵管部で受精卵が成長し、卵管が破裂して母体の命が危険にさらされます。

子宮頸部での妊娠であれば薬剤を注入し、胎芽を殺してしまいます。そうでなければ、母体に命の危険が生じ子宮摘出になることもあります。

子宮外での妊娠がわかれば手術を行い、胎芽をとりだすか、卵管ごと切除するか、薬剤を胎芽に注入するかしなければいけません。

妊娠検査薬で陽性が出たら、すぐに産婦人科に行き、エコーで子宮内に胎嚢がみえるか確認します。

これは、子宮外妊娠の可能性を排除するために非常に重要なことです。

陽性を確認しているのになかなか産婦人科へ来院しない人がいますが、非常に危険な行為です。

 

まとめ

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今回は着床障害についてお話させていただきました。着床障害といっても原因はさまざまです。

個々に応じた治療、選択肢があることを理解していただけたでしょうか?

着床障害は不妊症全体の約10%を占める大きな原因です。
クリニックでの詳しい検査などを早めに受け、ご自身に該当しないかどうか確認してみてくださいね。

参考にしていただければ幸いです。

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